想像を超える日 -2ページ目
死にそー。
無責任を指摘されて死にそう。


こんなしあわせをくれる人に俺もしあわせをあげたい。



Nさんと三度目。
ゆっくり話して、セックスもして、なんとなく先が見えて来たような、少しほっとしたような、穏やかな幸せを期待するような気持ちになった。

でも、付き合わない?と言われて、いや、「今、付き合ってる人居ないんなら…」と話を切り出された瞬間、やっぱり自分の気持が全然曖昧なことに気付いた。

これは真っ当なプロセスなんだと思うけど、これまで、かーっとのぼせるような好きになりかたしか知らないから、不安になる。

Nさんをやはり好きだと今日はおもったけど、明日も明後日も会いたいわけじゃない。

あの時、うん、と言って居たら、何も悪くないNさんを重荷に感じ始めることは明らかだった。
そうは成りたくなかった。


帰り道、Rと話したくて仕方がなかった。

話せば未だに恋しくなるRに相談なんかできるわけはない。

でも、この二年、気が付けば俺が本当の自分でいられたのはRの前だけで、それはもう元カレとか未練とかそういうこととは関係なくて、勝手に聖域化していて、要は安全な場所に逃げこみたかったのかもしれない。


Rは相変わらず映画と飲み屋のはなしで、相変わらず青臭くて、俺はすっかり落ち着きを取り戻したけど、やはり、始まりかけの恋の話しは切り出せなかった。

まあ、当たり前だが、自分で切り開いていく以外にない。

聖域が永遠ってわけでもないんだし。


この街はなんて寂しいんだろ。
HもOも居ない。
セブンイレブンの店員をいじめて何を為す。
傍観者でいられなくなる夜。身の置き所がない。
気が付くと非難がましい態度を取っている。
ばか。ばかだなぁ、と思うけれど、いつからかそういうことが日常になってしまった。

朝倉南35歳。気が付くと不機嫌なの。
カウチで目覚めると時計は11時で昼か夜かわからない。

寒くて二の腕をさすれば死人のように冷たい。

誰もここまでは来れないことを確信する。
日曜を終えて、

12人と30時間の会話。

明らかな睡眠不足と裏腹に、体は軽くて、心は浮き足立っている。

まだまだ眠りたくない。

明日を迎えたくない。

一人になりたくない。
いい意味でも悪い意味でもなく、こんなに打ちのめされて骨無しの自分の中に、まだまだ湧き出るほどに自分を知ってもらいたい願望があることに驚く。